治療方針

名古屋市千種区、東山公園駅からすぐ、鍼灸大津治療院の施術道具

当院の鍼灸治療は、根本から身体を変えることを目的としております。不調を感じる部分だけといった局所的な治療ではなく、身体を調整するために必要な大・小さまざまな鍼を全身に100本以上、丁寧に打っていきます。

鍼は使い捨ての鍼と、高圧蒸気滅菌済の鍼を使用していますので感染の心配はなく、安心して治療を受けて頂けます。

 

鍼が身体に効く理由

鍼を刺したりお灸をするだけで、さまざま効果をもたらすのは、鍼が結合組織に働きかけるためです。結合組織とは皮膚、筋肉、内臓、骨などの各組織のすきまを埋めて保護したり、強固にしたりする細胞組織のことです。筋肉と筋肉の間にある結合組織が老朽化し固まった状態になると「凝り」を感じるようになります。鍼はこの老朽化した結合組織を切り崩します。すると体内では細胞の新陳代謝が活発になり結合組織が再生されます。新しく再生された結合組織は柔軟性を取り戻し、さまざまな身体の不調が改善されていきます。

 

「凝り」を切る100本の鍼

鍼で古くなった結合組織をできるだけ多く切り崩し、気血の滞りを解消させるためには、頭のてっぺんからつま先まで100本以上の鍼をきめ細かく打って行きます。鍼は刺せば刺すほど身体の抵抗力、免疫力が高まります。それは、鍼という異物が侵入して組織を刺激すると、その部分の白血球や血小板等の数が増え血液現象に好影響を与えるからです。つまり、全身に鍼を刺せば全身の血が動き全身の血が強くなります。

結合組織の異変はツボとして現れます。私たち鍼灸師はそのツボを手の感覚で感じ取り、正確に鍼や灸を施します。

ツボによっては、あえて鍼先を砥ぎ石で荒く加工して、よりたくさんの結合組織を切られるようにします。この鍼で刺すとゴリゴリ…ブチブチ…と凝り固まった結合組織が切れる音を患者さん自身が感じることができます。とくに首の凝りが酷い患者さんに好評で、とてもスッキリするといわれます。

 

さまざまな不調の原因は「腰」にある

腰痛は鍼灸治療が最も得意とする疾患です。長年腰痛を患い、病院で手術しかないと言われた患者さんが、鍼灸で腰痛が改善した例は数多くあります。しかし、問題は腰の状態が悪いにもかかわらず、腰の違和感を感じない場合です。腰に痛みがなくても、首や膝の不調、頭が重いなどの症状を訴える人は、実は腰が悪い場合がとても多いです。本人はまったく気づいていませんが、腰の悪さをかばおうと無理な姿勢をとるために、肩や膝、首から頭に無理な負担がかかっています。そして悪くなりすぎて腰の感覚が半ばまひしてしまい、痛みすら感じなくなっているケースもあります。だから肩や膝などを治療しても、根本の腰が治らないかぎり決してよくならないし何回もぶり返すことになります。

腰が原因で起こる症状には、自律神経の異常、内臓の不調、不妊など様々です。一見無関係な部位も腰と密接につながっています。逆に言えば、腰をきちんと治療すれば心身ともに調子は格段によくなります。

 

腰には太鍼を深く入れる

腰は、筋肉が分厚くツボが深くにあるため、特注の太鍼を使います。腰の深部にある大腰筋に鍼先があたると、患者さんはお腹の奥でズーンと響きを感じます。長年、腰痛を患っている人の大腰筋は、硬いキャラメルに鍼を刺したような手ごたえがあります。硬くなった筋肉は、なかなか鍼が入って行かない場合もありますが、しっかりと鍼を通して緩ませます。

ある患者さんは、腰痛のため「く」の字でしか立てなかったのが、この鍼を打った直後にまっすぐ立てるようになり、その効果に驚いていました。

また、腰が慢性的に悪い人は仙腸関節と第五腰椎が癒着してしまっています。その癒着している組織をめがけて鍼を通し、関節の動きをよくします。

そして仕上げは、鍼を刺した上に艾(もぐさ)を丸めてのせて火をつけます。これを灸頭鍼といいます。艾の輻射熱がじんわりと腰の深部まで温めてくれます。腰を灸頭鍼で温めると、これまでからだ中に刺した鍼の効果で全身の筋肉がさらに緩み、からだが整っていくのがわかります。このときは至福の時間で、よだれを垂らして寝ってしまう人もいるくらい気持ちがいいものです。

腰の芯から温め、血流を改善させ、筋肉の緊張を緩める灸頭鍼
身体の芯から温まる灸頭鍼。新潟産の高級艾を使用しています。